服部国際奨学財団における留学生の活動について

本日は服部国際奨学財団に所属する留学生の活動についてご紹介します。

活動の紹介をするにあたって、まずは服部国際奨学財団の歴史を振り返ります。

当財団はアジア諸国を中心とした諸外国から、

わが国の大学等に留学する優秀な学生に対する奨学・援助を行い、

わが国と諸外国との友好親善に寄与することを目的として設立されました。

2012年8月財団法人から公益財団法人へ移行し、日本人学生の支援を開始しました。

現在服部国際奨学財団に所属する奨学生は日本人学生の数が多いのですが、

設立当初の目的は留学生の奨学・援助だったのです!

それでは、留学生の活動について紹介していきます。

① 留学生が故郷についてのプレゼンテーションを実施

服部国際奨学財団が主催する奨学生全員参加の公式行事において、

故郷についてのプレゼンテーションをしてもらう機会を設けています。

母国の地理、歴史、食事、生活、観光地などについて、

たくさんの写真を使ってプレゼンテーションをしてもらいます。

服部国際奨学財団の日本人学生は海外に興味関心がある方が多いため、

皆一生懸命に話を聞き、発表者に対して積極的に質問をします。

このように現地の方から直接話を聞く機会は普段あまりないため、

様々な国についてのプレゼンテーションを楽しみにしている奨学生は多いようです。

② 奨学生が日本文化を学ぶためのイベントを実施

他の国の文化を学ぶ機会を得ているのは日本人学生だけではありません。

服部国際奨学財団では、留学生が日本文化に触れる機会を増やすためのイベントを実施しています。

今年1月には、事務局員が引率をして、留学生4名が演歌のコンサートの鑑賞をしました。

当日の詳細はこちらの記事をご覧ください。

当日参加した4名からはとても嬉しい感想をいただきました。

下記に記載させていただきますので、是非読んでみてください。

  • 今回の演歌の夢まつりは初めて参加した演歌コンサートで、すごく楽しかったです。演出の中で一番印象に残ったのは三味線の演出です。三味線の音と和服姿の歌手との演出は凄かったです。特に舞台の上から「雪」が降っていた演出は素晴らしくて、日本の美が強く感じられました。今まではアニメで三味線を見たことしかなく、今回のコンサートで三味線の演出を初めて実際に見て、すごく感動しました。また、今回の演歌コンサートで聞いた歌に強い時代感を感じたと同時に、子供のごろお父さんがよく歌う中国語バージョンの「北国の春」を思い出し、懐かしい感じもしました。このような日本文化を体験する貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。
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  • 日本の演歌の演奏会に参加するのは、日本に来てから初めてでした。日本のアニメやドラマなど見たことがなく、現在の若者の歌も聞いたことがなかったためとても感動しました。まず、感動したのは日本人が演歌を大切しているところです。そして、会場でのカメラ使用禁止というルールをみんなが守っているところです。最後に少しだけカメラ使用が許可された場面があり、その時に歌手の方々が集まってくれたことにもとても感動しました。歌手と来場者のお互いへの尊敬が感じられました。このような機会を与えてくださった服部国際奨学金財団に誠に感謝しております。
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  • 私は日本に来てから、日本の演歌を聞きにいきたいと思いました。財団からのお知らせを見て非常に貴重な機会だと思って参加しました。最初にコンサートホールに入って、モンゴルのコンサートホールより本当に広くてすごいなと思いました。歌手たちが見ている人々と握手したり、挨拶したり、一緒に歌ったり、踊ったりする様子は印象に残りました。そして、歌うだけではなく、演歌中に色々な面白い話しをしてくれました。このような日本の文化を学ぶチャンスを頂いた奨学財団の皆様、誠にありがとうございました。
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  • 来日8年目ですが、演歌は初めてでした。北島三郎さんと前川清さんは日本だけではなく世界中で有名ですので、来日前から知っていましたが、代表作までは詳しく知りませんでした。私の教授は前川さんの大ファンであったため、毎年忘年会で前川さんの歌を何曲か聞かせてもらっていました。その影響で私も前川清さんの歌を2~3曲ほど知っていたので、今回現場で本人が歌うのを聞く機会があったことは非常に楽しかったです。生で聞くことができてよかったと思いました。特に、北島三郎さんから観客に向けてスピーチをしてくださった時、足に重傷を負いながらも、一生懸命頑張ってステージに立っていたことを見て、涙が出るほど感動しました。観客の皆さんに対する尊敬や、愛国への気持ちがすごく伝わってきました。また、これまで知らなかった若い世代の歌手の存在を知ることができたのも、非常に素晴らしい経験でした。伝統的な日本文化の中にある現代的な要素を感じました。他の参加者とたくさん話すこともできたのも、とても楽しかったです。感謝の気持ちでいっぱいです。
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以上が奨学生からの感想でした。

それぞれの視点からコンサートを楽しんでもらえたようです。

今後も服部国際奨学財団の日本人学生・留学生の双方が、

自国・他国の文化を学ぶ機会を設けていきたいと思います。

2019年度研究発表会・奨学生修了式

3月1日(日)に開催を予定していた2019年度研究発表会・奨学生修了式は、
新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑み、中止となりました。

本来であれば、当日卒団生一人一人に卒団証書が授与される予定でした。
卒団生にとっては、現役の服部奨学生として参加する最後の行事になり、
中止はとても残念でしたが、参加者の安全を第一に考えた結果、
このような形になりました。

服部国際奨学財団では、本件の中止対応として、
インターネット上での「バーチャル研究発表会・奨学生修了式」を開催しました。

研究発表会については、
2名の発表者にプレゼンテーションの動画の撮影をお願いし、
その動画を配信する形で奨学生全員に見てもらうことができました。

奨学生修了式に関しても、
卒団生一人一人からも集めたメッセージ動画を回収・配信し、
財団での思い出や将来への決意を語ってもらいました。
また、現役奨学生代表の挨拶についても同様に動画を配信し、
現役奨学生の想いを卒団生に届けることができました。

動画配信という形での実施を選んだことにより、
何度も見返すことができて良かったという声も聞くことができました。

同時開催を予定していた「哲学対話」については、
「哲学対話」に関する本を読んでもらい、
感想文を提出してもらう形での対応になりました。
※「哲学対話」の詳細については、後日のブログにて紹介致します。

当日は卒団生の皆さんと顔を合わせてお話することができませんでしたが、
財団事務所付近に住む一部の奨学生については、自ら挨拶に来てくれました。
お越しいただいた方々、ありがとうございました。


この春から社会人として活躍される皆さん、
引き続き勉強を続ける皆さん、
卒団生の今後を事務局員一同応援しています。
是非気軽に事務所に遊びに来てください。お待ちしています!