服部奨学生の紹介①

今までこのブログでは、服部財団の歴史、特徴、
行事実施についてなどを紹介をしてきました。

より深く服部財団について知っていただくため、
本日は服部奨学生の紹介をさせていただきます。

第10期奨学生の加藤壱弥さんに日々の学生生活について、
服部奨学生としての生活について、
将来の目標などをお聞きしました。

奨学生からの生の声ですので、是非読んでみてください!

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中京大学大学院文学研究科歴史文化専攻 修士課程2年
第10期奨学生・加藤 壱弥

 私は大学院で日本史を専攻しており、中でも中・近世史と呼ばれる織田信長や豊臣秀吉、徳川家康といった人物が活躍した時代を専門に研究しています。歴史研究は、「古文書」と呼ばれる古い手紙を読み解く事に重きを置いて進められます。その読解能力を上げるために学部1年生の時に友人たちと先生を巻き込んで「古文書読解研究会」を立ち上げ、現在も参加し研究会において、後輩たちと共に学部内の研究発表をするなどさまざまな活動に打ち込んでいます。現在は修士論文を作成中で、史料や論文の収集等で忙しく過ごす日々です。奨学生として採用して頂いたおかげで、アルバイトの日数を減らすなど勉強に当てる時間が増えたこともこうした研究活動につながっています。

 財団では研修旅行や研究報告会といったイベントが開催され、学年や国籍・分野の異なる奨学生同士の交流がなされています。特に印象に残っているイベントは、11期奨学生証書授与式と共に開催された研究報告会です。私は「豊臣秀頼の政治的地位について」という題名で研究報告をさせて頂きました。限られた時間の中で日本史を全く知らない人に向けた専門報告をする事は非常に難しかったですが、「要点を絞って伝えるべき事を端的に伝える」という報告には欠かせない大切な要素を学ぶ大変貴重な経験となりました。こうした研究報告会では自身の報告だけでなく他の報告に触れる事で毎回新しい刺激をもらう事ができます。


研究発表会にて理事長、他の発表者と。

 こうしたイベントの際に毎回実施される食事懇親会も楽しい時間の一つです。「日本で学んだ技術を母国で活かしたい」や「研究者になって社会の役に立つ研究がしたい」など高い目標を話したり、他愛もない話題で盛り上がったりと、ここでのコミュニケーションを通して培われる力もあると思います。

 将来は、大学教員や博物館学芸員として研究や学生指導に携わりたいと思っています。日本史が好き、勉強したいという人はもちろんのこと、苦手だな、興味はあまりないな、という皆さんにも、その面白さや奥深さを知ってほしいというのが大きな私の夢です。
 「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」江戸時代の上杉鷹山という人が言ったとされる言葉です。意志を持ってやれば出来る、努力を続けていきたいと思っています。
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大学院でも、財団行事でもご活躍していただいています。
加藤さんの更なるご活躍を期待しています!