服部国際奨学財団では、月額10万円の給付型奨学金だけでなく、
奨学生の留学支援も行っています。
財団からの支援を得て短期留学を終えた服部奨学生にブログを書いてもらいました。
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一橋大学 商学部 1年
第11期奨学生・林 穂高
私は7月の終わりから8月の終わりまで、大学のプログラムを利用して1ヶ月間香港に短期留学しました。英語や中国語を実際に話すことができる環境で中国語を学びたいと留学を決意し、留学中は香港中文大学の寮にお世話になりながらジョブシャドウイングなどもしました。
※ジョブシャドウイング(job shadowing)とは、児童、生徒、大学生等が、企業の社員がどのような仕事をしているかを観察して学ぶ取り組みです。
初めの3日間のジョブシャドウイングではCitysuperという香港の高級スーパーで研修させていただきました。ここではほとんどの会話が英語で行われ、流通や品質管理など様々な講義を受け、実際の店舗でお手伝いなどさせていただきました。日本と香港の行き来が従来よりも簡単になったことで日本からの輸入商品の売上が低下しているという話を聞いて、一見すると日本商品の売り上げが伸びそうなのに逆の効果がもたらされることもあるのだと学びました。またCitysuperの社員の方々がとても流ちょうに英語を話されていて、香港の豊かな国際性と自分の語学力不足を強く実感しました。
中文大学での中国語研修では中国語を初めて学ぶため授業について行けるか心配でしたが、クラスメートや先生に助けられながら学ぶなかで中国語を学ぶ面白さに気がつきました。実際に先生やクラスメートと中国語で会話しつつ、英語で教えていただいていたので語学力もつき、日本に戻っても中国語を勉強し続けようと決意できた良い機会でした。
今回留学した時期はちょうど香港で「逃亡犯条例」に対する抗議活動が盛んに行われていた時期で、実際留学中に何度もデモに遭遇したり、大学構内でも至る所に「逃亡犯条例」について伝えるビラなどがあったりしました。香港に来たばかりの頃は黒い服を着てデモを行う集団に少し恐怖心もありました。

しかしデモによって閉店せざるを得ないお店、貴重な休みをつかってデモに参加している人々、警察との衝突も恐れずに抗議活動を続ける様子を見ていると、彼らは経済的なもの、時間など様々なものを犠牲にしてまで抗議していることが分かり、若者も含めて多くの人が政治に関心を持ち真剣に自分たちの将来について考え、自分たちで行動しようとしている姿に感銘を受けました。恥ずかしながら私はこれまで現在の自国の政治についてあまり興味を持っておらず、自分一人が行動しても何も変わらないと考えていました。しかし今回の研修で自分たちと変わらない年齢の人が自分から行動している様子を見て、いかに今まで自分の世界や視野が狭かったかに気づきました。これからは政治や世界の動向に興味を持ち自分で考えるように、またそういった情報を知るためにも語学力を磨いていこうと思います。
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服部国際奨学財団には、
大学1年生から博士後期課程の幅広い年代の学生が在籍し、
学部についても文理問わず様々な分野を専攻しています。
奨学生たちは財団行事で顔を合わせる際に、
お互いの学生生活や将来の夢についての発表や会話をし、
刺激を受けあって成長しています。
林さんは、2019年度に入団した11期生です。
1年時から自分の将来について考え、
挑戦を始めている奨学生がたくさんいます。
向上心を持って挑戦する奨学生を今後も支援して参ります。